目標を持つことが成功の秘訣だとよく言われますが、イメージすることが難しい目標は、必ずしも良い結果を招くとは限りません。
ある飲食店の社長が、売上倍増を目標に先行投資を行うとして、従業員数を急激に増やしました。しかし、人を増やせばその教育や管理に多大なエネルギーが必要です。従業員の遅刻や不祥事ばかりではなく、賃金や仕事の進め方の不満など人事力ウンセラ―のような日々を送る中、顧客が自社商品から離れて行くのに気付かなかったと言います。結局その会社は、売上倍増計画スタ―ト時点にも達しない状況に後戻りしているのです。目標を設定すると確かに”頑張る”けれども・・・では、どのようにすれば良かったのでしょうか?
ある経営コンサルタントの人が「成功者になり切って考える方法が良いですよ。」と教えて下さいました。その達成者を仮にBさんとしましょう。たぶんBさんは立地のよい場所に店を持ち、例えば”1日平均200人くらい”の客が見込めたのかも知れません。そして、その客は飲酒も合わせて、平均的に1人1,500円位は使ってくれたとします。
ここから計算が始まります。200人が平均1日1,500円使えば、1日の売上は30万円になります。そうすると、1年280日店を開けるとして、年間売上は、30万円×280日=8,400万円に達します。『なんだ。もうすぐ1億円になるじゃないか』という気になります。『出来そうだ!』という気になるわけです。そして、”1億円達成像”を想定してみます。
しかも、客数だけなら、1日200人⇒238人になれば年間売上1億円。客単価だけで、1人1,500円⇒1,786円で、年間売上1億円。営業日数なら、年間280日⇒334日になって年間売上1億円。などと具体的に分解してみるのです。そして客数、客単価、営業日数など出来そうな形で組み合わせて、目標を作るのです。もちろん客数などは、目標を決めても思い通りにはなりませんが、客数が減った時には、営業時間や営業日数、あるいは追加メニュ―や飲料の工夫で頑張れたでしょう。
―般に目標を立てて成功している人の多くには、目標を作る前に、『ああ、出来そうじゃないか』という驚きのような発見があるのだそうです。目標が突然出来るのではなく、目標は”出来そうだ”と感じることの一歩先に出来るものだからです。”出来そうだ”という実感の延長にない目標は、確かにBさんの売上倍増目標のように、無理を招いて自滅の素になってしまうかも知れません。大事な事は、自分の中に”出来そうだ”という実感を探して目標を設定する事だと思います。
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